アウトドアやバーベキューでの楽しみ方の一つでもある燻製。独特の燻した香りと、芳醇な味わいで素材の良さを出せる燻製が自宅でできたらいいな。。と思われた方は意外に多いのではないでしょうか。かく言う私も、燻製の魅力に取り憑かれた一人です。スモーキーな味わいに始まり、「焼く」、「煮る」、「蒸す」とは違った「燻す」ことで深みを増す、あの味わい。一度味わってみたら、その魅力に気づかれる方も多いでしょう。
燻製は、屋外でしか楽しめないと思い込んでいませんか?実は、自宅のキッチンで始められるんです!今回は初心者でも自宅で燻製が始められる方法をお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。屋外だけの楽しみにしておくのは、もったいない!
この記事を読めば、初心者でも明日から自宅で燻製が始められますよ。
目次
1.燻製に必要な道具はこれだけ。初心者でも自宅で燻製ができる!
2.簡単3ステップで手軽に作れる「燻製」の基本の作り方
3.自宅キッチンで調理する方法と注意点とは!?
4.初心者向け!燻製入門レシピ
5.まとめ
1.燻製に必要な道具はこれだけ。初心者でも自宅で燻製ができる!
①フライパンまたは鍋&蓋
②金網
③アルミホイル
④スモークチップ
燻製を始めるには、専用の道具や特別な食材を揃える必要があると思っていませんか。実はスモークチップ以外は、自宅にある道具で十分なんです!わざわざ用意するようなものはなく、自宅にあるもので代用ができ、気軽に始められるのも魅力の一つ。食材も身近なもので大丈夫です。燻製を始める前に揃える道具はたったの4つです。必要な4つを揃えることで、自宅での燻製が始められます。ぜひ、参考にしてみてください。
①フライパンまたは鍋&蓋
燻製に向いているフライパンや蓋の種類ですが、鉄製のフライパン・鍋、燻製対応可と記載のあるフライパン・鍋、燻製専用の器具をおすすめします。理由としては、フッ素樹脂加工(テフロン加工など)のフライパンは、空焚き状態で過剰に加熱した場合、フライパンの安全性が疑われるため、燻製作りには不向きのため使用しないようにしてください。
②金網
フライパンの直径よりも2~3cmほど小さく、底面よりは大きめのものを選びます。100円ショップで入手できる金網でも代替が可能です。
③アルミホイル
焦げ付き防止のためにチップの下に敷いたり、金網の上に食材を置く際にあると便利です。ケーキや弁当用のアルミカップでも代用ができます。
④スモークチップ
ホームセンターやアウトドアショップで簡単に入手できるようになった他、最近では種類に限りはありますが、100円ショップでも見かけるようになり、スモークチップも身近なところで入手しやすくなったのは、燻製初心者にはありがたいですよね。
スモークチップには「ヒッコリー」「サクラ」「クルミ」などの種類があり、樹木の種類によって香りが異なります。それぞれの違いをまとめてみたので、お好みや気分に合わせて選んでみてはどうでしょうか。
【ヒッコリー(注1)】香り/クセの少ない香り
北米(注2)では一般的な燻煙材で知られており、肉や魚、チーズなど色々な食材に合う万能なチップです。香りや色がしっかりと付きやすく煙が出やすく扱いやすいので、初心者におすすめなチップです。
(注1)クルミ科の広葉樹で北アメリカが主な原産国であるクルミ科の樹木。燻製用の材料としても知られているが、衝撃に強いため器具の柄、スキーの板や体操のバーなど、運動具などにも適している。
(注2)カナダ、アメリカ合衆国(以下、アメリカ)、メキシコ、カリブ海諸国(キューバ、ドミニカ共和国、ハイチ、ジャマイカなど)、中央アメリカ諸国(グアテマラ、エルサルバドル、パナマなど
【サクラ】香り/どっしりと重厚感のある香り
最もポピュラーなチップです。しっかりとした香りと色づきが特徴です。やや香りが強いため、クセのある食材(豚肉や羊肉など)や、サーモン、青魚といった食材との相性がいいです。また様々な食材に使えるため、一度に異なる食材を燻製したいときにもおすすめです。
【クルミ】香り/クセが少なくすっきりとした香り
香りに癖がなく、色つきも強すぎず、程良い色に仕上がります。肉類や魚介類など、さまざまな食材と合わせやすく、幅広い食材に適しているため、何を燻製するか決まってない場合にもおすすめです。
【リンゴ】香り/フルーティーで甘い香りとほのかな酸味が特徴
サクラよりマイルドな香りで、ほのかに甘いリンゴの香りが特徴的です。香りや色の付きが弱めで、燻製特有の香りを強く感じたくない方におすすめのチップです。淡白な食材(白身魚、鶏肉)との相性がいいです。
初心者の方が選ぶには、食材との相性の幅の広さや香りのクセが強すぎない、リンゴやクルミから始めてみるといいかも知れましれませんね。燻製づくりの際に、ぜひ参考にしてみてください。
2.簡単3ステップで手軽に作れる「燻製」の基本の作り方
基本の作り方は以下の3ステップになります。燻製作りの工程は、食材を味付けし、乾燥させて、スモークするだけのわずか3ステップで完成です。
3ステップで簡単に始められるところも、自宅燻製の醍醐味なんですよ。キャンプ好きな方も雨天に影響されずに楽しめる自宅燻製は
STEP1/味付け
STEP2/乾燥
STEP3/スモーク
STEP1/味付け
燻製の始めの一歩が「味付け」作業からになります。燻製の味付けは、食材に味をつけるだけでなく、殺菌と保存効果も期待できます。初心者の方が始める際は、シンプルに塩やこしょうをかけるだけでまずは十分です。慣れてから色々と試してみてくださいね。
STEP2/乾燥
燻製はしっかり乾燥させることが、燻製の深みや旨みを引き出すコツになります。塩漬けが終わった食材は、風通しの良い場所でしっかりと乾燥させます。食材の表面に水分があると、煙と水分が反応し酸味や苦みが出るため、燻製の仕上がりにも悪影響を与えてしまいます。気温が高い時期や梅雨の時期に燻製をしたい場合には、冷蔵庫の中でしっかり乾燥させるのがおすすめです!食材の表面が完全に乾くまで乾燥させることが、酸味や苦味がなく、香り高い燻製を作ることができるのです。
STEP3/スモーク(燻製)
燻製には、主に『熱燻(ねっくん)』『温燻(おんくん)』『冷燻(れいくん)』の3種類があり、およそ80度の高温で燻す「熱燻」と、60度くらいの温度を保って1~2時間かける「温燻」、20度くらいの温度で長時間燻す「冷燻」という3つの種類があります。
【熱燻】
・80℃から140℃の高温で、5分〜1時間ほど食材を一気に燻す燻製方法。
・仕上がりの色や香りがとても良い。
・保存期間が短く、調理後は早めに食べるのがおすすめ。
・水分が残り、食感はジューシー。
・初めての燻製作りに選ばれやすい燻製方法。
【温燻】
・30〜80℃くらいで2〜5時間ほど燻煙する、最も一般的な方法。
・季節を問わずできる。
・保存期間は数日程度と、あまり長くない。
・出来上がりは、ソフトで風味豊か。
・市販の燻製器で作れるため、初心者の方もチャレンジしやすい。
【冷燻】
・15〜20℃くらいの低温で、長時間燻煙する方法。
・暑い時期には不向き。
・水分が抜けて長期の保存が可能。出来上がりは少しかため。
・香り付け程度に、30分〜2時間燻煙する場合もある。
・食材の4割程度の水分量が落ちるため、正しく燻製できれば1ヶ月以上、保存できる。
3.自宅キッチンで調理する方法と注意点とは!?
自宅で燻製をしてみたい!と思われた方で、匂いの強い燻製が自宅でできるのか気になった方は多いのではないでしょうか。そこで今回は、屋内での燻製づくりのポイントや自宅で燻製を作る際に注意したい匂いの対策をまとめてみました。
自宅でのニオイ対策
結論から言えば、自宅燻製は匂い対策をすれば、屋内での燻製も問題はないですが、煙はしっかり出るので煙や匂い対策をしても、ある程度の匂い残りはあります。燻製頻度や燻製時間によって、タバコの残り香ぐらいにはなると思って、燻製中は換気扇を回し続けておくのが良いでしょう。
匂いがつくと困るアイテムは、しまう、隠す
お気に入りの洋服など、匂いがつくと困るものもありますよね。特に布製品には匂いがつきやすいです。そこで、どうしても匂い残りが気になるものは、あらかじめしまってみたり隠すのもおすすめです。キムチ鍋や自宅焼肉など、匂いや煙の出る食事の楽しみ方と同じですね。ちなみに私は、ゴミ袋の中に包む時もあります。(もちろん新品のゴミ袋です。)
長時間の燻は避ける
大前提に、長時間の燻煙を避けて欲しい理由は、それだけ煙の量が増えることです。特に賃貸やマンション等で燻製をする場合は、長時間の燻煙が必要なレシピは諦めた方が良いです。ワンルームで1時間も燻した日には、最大限に換気をしても煙の量によっては火災報知器が鳴りかねないです。匂いを気にされる方の屋内での燻製時間は、基本は5分〜10分前後、慣れてきても15〜30分程度の燻煙に留めておくと良いです。
煙が外に出ない家庭用燻製器を使ってみる。
自宅燻製をしても煙や匂いを気にしなくていい、燻製グッズがあるのをご存じですか?燻製器さえ購入すれば、気軽に始められるのも家庭用燻製器の魅力の一つ。気になる燻製器のお値段は、5,000円ぐらいの物からあり、チップも付いた燻製器もあるのであれこれ揃えるのが面倒な方や、初心者の方が始めやすいところも嬉しいですよね。小型のものもあるので、収納場所にも悩まなくて済むため、気軽に始められるのではないでしょうか。
4.初心者向け!燻製入門レシピ
では、実際の食材を使った初心者向けで、おすすめの燻製レシピをご紹介します。初心者の方は比較的水気が少ない食材(ナッツ・チーズなど)や、あらかじめ調理されているもの(ドライフルーツや味のついたもの)を選ぶのが失敗が少ない秘訣です。最初から水気の多い野菜や果物に挑むのは難しいかもしれません。まずは失敗の少ない食材を選び、乗せるだけで完成する燻製料理にチャレンジしてみましょう!
チーズ
初めての方でも、ほぼ確実に成功するのがチーズです。スーパーやコンビニで売っている安価なチーズでも、燻製にするだけでお店で食べるような美味しいチーズに変身します!チーズ自体に初めから味が付いているので、下処理などの準備も必要がなく、チーズの種類によって燻製してからの味も異なるので、チーズ好きの方はぜひ試して欲しい食材です。
【材料】
好みのチーズ:適量
【つくり方】
・常温に戻し、好みの大きさにカットする(そのままでもOK)
・溶けた際にくっつかないように、すき間を空けて並べる
・80度で15~30分燻煙する
ちくわ
個人的にもおすすめな食材です。チーズ同様そのまま食べられる食材のちくわですが、燻製にするだけで絶品料理に早変わり!燻製ちくわとしてそのまま食べても良し、マヨネーズやコショウをかけたりして食べてみてください。その美味しさに驚くと思います。
【材料】
好みのちくわ、練り物:適量
【つくり方】
・材料を網にのせて、30分程乾燥させる
・80~100度で20分燻煙する
くんたま(燻製卵)
くんたまも人気の燻製料理です。そのまま食べても美味しいですが、サラダやラーメンのトッピング、少し手を加えてタルタルソースの材料としても利用できます。自宅で簡単に作れる点も魅力の一つです。
【材料 4個分】
・半熟ゆで卵 4個
・めんつゆ[3倍濃縮] 大さじ2
・水 大さじ2
【つくり方】
①半熟ゆで卵の殻をむいて保存袋に入れ、めんつゆ、水を加えて空気を抜きながら袋の口を閉じたあと、冷蔵庫に2時間ほど入れて味を馴染ませる。
②冷蔵庫から取り出し、麺つゆの水分を拭き取ったあと少し乾燥させます。鍋にアルミホイルを敷いて燻製チップを入れる。
③網の上に半熟ゆで卵を乗せ、ふたをして3〜5分中火で加熱し、香りが立ってきたら弱火にして15分ほど燻す。
5.まとめ
・自宅で燻製をするには注意点がある(換気扇を回し続ける、燻製時間を長すぎない)
・揃えるものは少ないが、家庭用の燻製器を使えばさらに簡単に燻製が楽しめる
・初心者のおすすめ燻製食材は、水分の少ないものを選ぶ
今回は初心者が自宅で燻製を楽しむ方法についてまとめてみました。燻製の魅力は、少しの工夫で日常の食事に特別感を加えられるところです。
自宅で燻製をするには、まず何から始めたらいいかと悩むかと思いますが、必要な道具と注意点をじゅうぶん理解した上で、自宅燻製を始めてみましょう。思ったより難しくないですし、燻製の魅力に気づくと思います!初心者の方もぜひ、自宅燻製を楽しんでくださいね。
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